学芸員さんに聞いてみました「《考える人》は何を考えている?」
回答は・・・“この作品は、「特定のなにかを考えている人」という存在を越えて、「あらゆる意味において思索をする人」ととらえるべきでしょう。”とのこと。
「あらゆる意味において思索する人」・・・なんだかわかるような、わからないような複雑な回答です。
まるで《考える人》のあの頭の中には小宇宙が広がっていそうな感じです。
そして、“ただし、この《考える人》が《地獄の門》の中心に位置し、この《地獄の門》はダンテの『神曲』「地獄篇」をテーマにして全体が構成されていますので、その場合、《考える人》は地獄を前に「思索する人」「詩人」あるいは「ダンテ自身」さらには「ロダン自身」というさまざまな解釈がなされます。”というお答えもいただきました。
そこで、今度は《地獄の門》の前に行って、《考える人》を見上げてみました。
なるほど同じ《考える人》のはずなのに、門の中と単独でいるときとでは、なんだか印象が変わって見えてきます。
ついつい気になる、あの姿。あなたにとって《考える人》は、どんなことを考えていると思いますか? |