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三連祭壇画:キリスト磔刑

ヨース・ファン・クレーヴ
1485年頃 - 1540/41年
三連祭壇画:キリスト磔刑
油彩/板
中央部: 116 x 83; 両翼部: 117 x 36 cm
P.1976-0003

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この三連祭壇画はクレーヴ後期の作品と推定される。中央部にフランドル絵画特有の精妙な風景描写を背景に「キリスト傑刑」が表わされ、左右の翼部にはこの祭壇画の寄進者夫妻の跪く姿が描かれている。パティニールの影響を思わせる幻想味豊かな奇岩を随所に配しながら、グラッシ(上塗り)で丹念に描き込んだその風景描写は16世紀フランドルのいわゆる世界風景画の特色をよく伝え、同時に、香油壺の前に跪くマグダラのマリアや兵士たちなどに見られる華麗な色彩には、当時の宗教画の装飾的傾向がよく表われている。クレーヴは写実的な肖像画の他、このような豪華な宗教画を数多く描いて好評を博したのである。この祭壇画と同形式・同主題のクレーヴ作品がニューヨークのメトロポリ夕ン美術館にある。
本作品の保存状態は非常に良く、全体が磁器のような肌を持ち、地平線の果てまで透明感が画面を支配している。

(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 10)

写真:ヨース・ファン・クレーヴ 三連祭壇画:キリスト磔刑