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作品紹介

18世紀
(ロココ美術など)

写真:ジョゼフ・ヴェルネ 夏の夕べ、イタリア風景)

  • ジョゼフ・ヴェルネ
  • 1714年-1789年
  • 夏の夕べ、イタリア風景
  • 1773年
  • 油彩/カンヴァス 89 x 133 cm
  • 左下に署名、年記: J. Vernet. 1773
  • P.1988-0002
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本作品は、ヴェルネの画歴の上では比較的晩年に近い1773年の制作になる。形式としては、一日の各時間を複数のタブローによって描き分けるという、イタリア時代以来ヴェルネが好んだ17世紀からの伝統に従っていると思われ、同じ1773年制作の作品《朝》が対作品として存在していたことも確認されている(現在所在不明)。画面には、川辺で水浴びをする人々を点景に、夏の長い一日が暮れようとする時刻の風景が表わされている。右側の大きな岩と樹、画面の中心を占める川と橋などはヴェルネの作品にしばしば見られる道具立てである。遠景となっている町の風景は現時点では特定できず、いくつかの実景の組み合わせであろうと推測する他はない。イタリア時代には実際に戸外で風景を直接写生・制作したと言われるヴェルネであるが、すでに18世紀当時に指摘されていたように、晩年にはかつて手懸けたモティーフをさまざまに組み合わせながら繰り返して使用するという傾向が強くなっていたのである。構図全体は落ち着いた均衡をみせ、17世紀の古典主義的風景画を彷彿とさせるが、幾分硬さの感じられる画面仕上げにはすでに新古典主義的要素を認めることも可能であろう。また、個々の人物の描写や、自然観察などには、ディドロを感嘆させたヴェルネの「自然主義」的特質が十二分に発揮されており、コローやバルビゾン派、印象派などに連なってゆくフランス風景画の伝統の確立を見てとることができよう。

(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 55)

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