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聖杯─中世の金工美術: ドイツ東部のプロテスタント教会所蔵作品による

  • 聖杯─中世の金工美術: ドイツ東部のプロテスタント教会所蔵作品による
  • 2004(平成16)年6月29日- 2004(平成16)年8月15日
  • 会場:
    国立西洋美術館
    出品点数:
    工芸63点、版画12点(参考出品)、計75点
    入場者数:
    37,329 人
    関連書籍:
    展覧会カタログ
    2004年発行、313頁、高さ24cm
    詳細情報
    ご購入方法

本展は、12世紀から16世紀初頭、すなわちロマネスク時代から後期ゴシック時代の金細工師が制作した典礼具63点を、聖杯(カリス)と聖皿(パテナ)を中心にご覧いただこうという企画です。

聖杯と聖皿は、聖書に物語られた最後の晩餐に由来するミサあるいは聖餐式に用いられるもので、教会の典礼具の中でもとりわけ重視されています。中でも神学上キリストの血と同一視される葡萄酒のための聖杯は、酒杯としての実用的な目的のみによって制作されたわけではありません。中世の聖杯は建築や植物をかたどった枠取りの中に、さまざまな聖書の場面や聖人像、寄進者像などを表わすことで典礼の由来と意味を表わし、しばしば、当時の教会建築のように、ひとつの小宇宙として造型されていました。

金細工師たちはそのような聖杯を鍍金された銀によって、鍛金、彫金、エマイユ、ニエロ、鋳造といった金工技法の粋を尽くして造型し、宝石をもって飾りました。貴金属を扱う金細工師たちの金工作品は中世を通じてもっとも高雅な美術と見なされていましたが、出品作には、彼らが単に器物を制作するだけではなく、画家や彫刻家と同様、描写美術にも通じていたことをご覧いただけるかと思います。事実、金工師たちが金属の表面に図像を線刻する技術は、15世紀にいたって紙が普及するにつれ、銅の板に線刻を施しそれを紙に印刷する美術、すなわち銅版画の出発点ともなったのです。

本展の貴重な金工作品は美術館ではなく、ドイツ東部のザクセン=アンハルト州を中心とする、プロテスタントの諸教会から出品されたもので、現在でも重要な聖餐式の時に用いられています。このことは、日本では初めての試みとなる中世の金工美術をテーマとする展覧会に、さらに重要な美術史・文化史的意味を加えるものとなるでしょう。

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