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  • 祈りの中世―ロマネスク美術写真展
  • 2007(平成19)年6月12日- 2007(平成19)年8月26日
  • 会場:
    国立西洋美術館 版画素描展示室

ロマネスク美術とは、主として11世紀から12世紀にかけてヨーロッパで生まれた美術のことを指します。この時期は、多民族の侵入などによる中世初期の混乱が落ち着き、社会が安定していくなかで、活発な地域交流や技術革新、多くの宗教運動が起こり、新たなダイナミズムをもってヨーロッパの土台が築かれていった時代でした。「ローマ風の」という意味の「ロマネスク」は、当初建築において、古代ローマ建築の劣った模倣を意味するものとしてやや軽蔑的に用いられた形容詞でしたが、現在その美術は、ヨーロッパ形成期の文化の諸相をあらわすものとして尊ばれ、高い精神性と奇想に満ちた表現力によって、人々に愛されています。

ロマネスク美術はそのほとんどが、キリストの教えを示す、あるいは賛美するために制作され、人里離れた修道院や小村の聖堂にいたるまで、聖書の物語や教義、動植物や幾何学文様など、豊かな図像が展開されました。本展は、フランスとスペインの五つの宗教建築を六田知弘氏が撮影した写真によって、ロマネスク美術の多彩なかたちを紹介します。

建築と調和したロマネスク彫刻はこの時代の美術を代表するもので、各地の文化的素地の多様性、人々の想像力の豊かさ、深い宗教精神を伝えています。マグダラのマリアの聖遺物で知られ、スペイン北西のサンチアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の出発点のひとつとしても栄えた、フランス、ヴェズレーのサント・マドレーヌ修道院聖堂の彫刻群は、その白眉といえます。

彫刻はまた、修道士たちの瞑想の場であった修道院回廊にも頻繁に見られ、今回その見事な例がスペインのブルゴス地方にあるサント・ドミンゴ・デ・シロス修道院から紹介されています。一方、こうした彫刻の芸術性ゆえに、それを排除した修道会もありました。南仏のル・トロネ修道院は、厳格な修道院改革によって11世紀末に創設されたシトー修道会に属します。そこでは、魅力ある装飾は祈りの妨げになるとして禁じられました。ル・トロネ修道院の各部は、禁欲的なシトー会建築独特の峻厳な美しさに満ちています。

絵画も神の家をたたえる重要なメディアでした。本展では、中央フランスのノアン・ヴィックとスペインに接するフランス南部のフノヤールの小聖堂内部の壁画をお楽しみいただけます。一見稚拙とも思えるこれらの壁画からは、キリストの存在を伝える荘厳な空気を感じることができるでしょう。

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