1
金製指輪
1-2世紀
古代ローマ
ガーネット、金
OA.2012-0062
橋本コレクションの第1号作品。子どもに対する親の想いが込められた古代の指輪が時を超えて現存することに感銘を受け購入に至る。
2
星形ダイヤモンドで装飾された金銀製リング:『星が浦』
18世紀
制作地不詳
ガラス、ダイヤモンド、真珠、金、銀
OA.2016-0001
橋本氏が2012年寄贈の際手放さなかった指輪。ご自身命名の「星が浦」は橋本夫人が青春時代を過ごした大連に近い土地の当時の名前。
3
指輪『アルジェリア』
1920年代頃?
制作地不詳
ブラッドストーン、金
OA.2018-0002
橋本氏没後にご遺族より寄贈された指輪の遺品。これがコレクション最後の作品となる。アルジェリアは橋本氏憧れの土地のひとつ。
6
アメシストと二羽の鳥
1920年頃
イギリス
アメシスト、ペリドット、エナメル、銀
OA.2012-0589
本会場入り口のバナーをご参照。ジョージ・ハント作。イギリスのアーツ・アンド・クラフツの伝統に基づく。
9
ポージー・リング
15世紀後期
イギリス
エナメル、金
銘(フープ外側)「私の真心は」
銘(フープ内側)「すべてあなたのもの」
OA.2012-0151
ポージーリングとは銘の入った指輪。中世以降に流行。本作は複製されミュージアムショップのグッズになる予定(no.204等参照)。
10
ブリリアント・カット・ダイヤモンドの指輪
1930年代
フランス
ダイヤモンド、プラチナ
OA.2012-0565
2014年当館開催の指輪展図録(本展を機に再版決定)の表紙を飾る。ブリリアントカットのダイヤモンドがきらめく。
11
東洋的な植物モチーフの指輪
1910年頃
アメリカ
翡翠、金
署名 Tiffany & Co
OA.2012-0474
ティファニー製。1837年創業。ルイス・コンフォート・ティファニーがディレクターだった頃のアール・ヌーヴォー風の指輪。
12
カルティエ製のフルーツサラダ・リング
1930年
フランス
ダイヤモンド、エメラルド、オニキス、ルビー、プラチナ
署名 Cartier
OA.2012-0499
1847年ルイ・フランソワ・カルティエが創業。本作のスタイルはインドの宝石に由来。
13
ブルガリ製リング
イタリア
サファイア、ダイヤモンド、金
署名 Bulgari
OA.2012-0543
1884年ギリシャ出身のソティリオ・ブルガリが創業。ブルガリの重要な着想源は古代ローマ。
14
ヴァン クリーフ&アーペル製リング
1936年頃
フランス
ダイヤモンド、プラチナ、金
署名 VCA NY 55185, 99283
OA.2012-0504
1906年アルフレッド・ヴァン・クリーフらが創業。1939年米国に進出し大成功をおさめる。
15
ハリー・ウィンストン製リング
1960年代
アメリカ
アメシスト、ターコイズ、金
署名 Winston
OA.2012-0524
1926年、貴重な個人宝飾品コレクションを120万ドルで購入。1932年に自身の名を冠したブランドを立ち上げる。
16
メレリオ・ディ・メレーのカクテル・リング
1940年代
フランス
ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、金
OA.2012-0513
フランス16世紀フランソワ1世時代から続く稀有なジュエラー。創業者は北イタリア出身。19世紀前半にパリのラ・ペ通りに進出。
17
ショーメ製リング
1970年頃
フランス
サファイア、ダイヤモンド、金、メタル
署名 Chaumet
OA.2012-0514
1780年マリ=エティエンヌ・ニトが創設。ナポレオン1世の御用達となる。20世紀初頭ヴァンドーム広場15番地に拠点を移す。
19
トラベルト&ホッファー・モーブッサンのカクテル・リング
1940年代頃
アメリカ
サファイア、ルビー、エメラルド、アメシスト、シトリン、金
OA.2012-0521
1827年創業のモーブッサンは世界恐慌後に米国のトラバート&ホッファー社と合併したが、第2次大戦後に単独でパリに復帰した。
20
トラベルト&ホッファー・モーブッサン製イアリング
1940年代頃
アメリカ
サファイア、ルビー、エメラルド、アメシスト、シトリン、金
署名 T&HM
OA.2012-0522
no.19とセットを構成。
21
スザンヌ・ベルペロンがデザインしたルネ・ボアヴァン製リング
1930年頃
フランス
水晶、ダイヤモンド、プラチナ
OA.2012-0496
ボアヴァンとベルペロンはポール・ポワレとエルザ・スキャパレリに結びつく。宝飾品と服飾のコラボレーション。
22
カルティエ製アール・デコ・リング
1930年頃
フランス
ダイヤモンド、ルビー、プラチナ
署名 Cartier
OA.2012-0500
no.12のモチーフに基づく幾何学性に対して、より抽象的な幾何学的形態になっている。
23
ダイヤモンドのカクテル・リング
1950年代
フランス
ダイヤモンド、プラチナ
署名 Sterlé
OA.2012-0511
ステルレ製。ピエール・ステルレは1934年パリに店を開いた。ドーム型のデザインは1950年代に流行したカクテル・リングの典型。
24
シュランバーゼーのデザインによるティファニー製リング
1960年代
フランス
ダイヤモンド、プラチナ
署名 Tiffany Schlumberger
OA.2012-0512
1956年、ジャン・シュランベージュはティファニー会長ウォルター・オヴィングに抜擢され専用の工房を与えられた。
25
フレッド製クロスオーバー・リング
現代
フランス
ダイヤモンド、ペリドット、金
OA.2012-0515
アルゼンチン出身のフレッド・サミュエルが1936年にパリで創業。本作のペリドットはしずく形をしたブリオレットカットが施されている。
26
ココの指輪
1990年代
フランス
アメシスト、アクアマリン、ペリドット、金
署名 Chanel IE 424
OA.2012-0517
本作のデザインはココ・シャネルの個人コレクションのお気に入りの指輪に由来する。
27
レイモンド・ヤード製レトロ・スタイル・リング
1940年頃
アメリカ
サファイア、ダイヤモンド、プラチナ、金
OA.2012-0518
レイモンド・ヤードがジョン・ロックフェラー2世に後押しされて1922年ニューヨーク5番街に創業。
28
黄色いサファイアのリング
20世紀後期
アメリカ
サファイア、プラチナ、金
OA.2012-0538
カービン・フレンチ製。フランス出身のアンドレ・シェルヴァンとセルジュ・カーポンシーによって1954年ニューヨークに創立。
29
ヴェルドゥーラ製ドーム形リング
1950年頃、もしくはおそらく後のヴァージョン
イタリア
オニキス、ダイヤモンド、金
署名 Verdura
OA.2012-0539
ヴェルドゥーラはサントステーファノ・デッラ・チェルダがココ・シャネルとの出会いを契機に創業。
30
マリーナ・ビー製ダイヤモンドの指輪
1980年頃
イタリア
ダイヤモンド、金
署名 Marina B
OA.2012-0544
マリナ・ブルガリは一族のメゾンを離れ1978年に独自のマリナBを立ち上げた。
31
ブチェラッティ製エメラルドの指輪
イタリア
エメラルド、ダイヤモンド、金
署名 Mario Buccellati
OA.2012-0546
マリオ・ブッチェッラーティが1919年にミラノで創業。ガブリエーレ・ダンヌンツィオが愛好した。
32
ガラード製ダイヤモンドの指輪
1930年代―1940年代
イギリス
ダイヤモンド、プラチナ
署名 Garrard
OA.2012-0550
1735年ロンドンで創業。19世紀半ばに初の英国王室御用達ジュエラーとなる。
33
クチンスキー製ダイヤモンドの指輪
1973年
イギリス
ダイヤモンド、金
署名 Kutchinsky
OA.2012-0551
ポーランド出身のヒルシュ・クチンスキーと息子モリスが1893年にイーストロンドンで創業。のちにナイツブリッジに本拠を移す。
34
ローレンス・グラフ製ルビーとダイヤモンドの指輪
1980年代
イギリス
ルビー、ダイヤモンド、金
署名 Graff
OA.2012-0552
10代の頃からローレンス・グラフは並々ならぬ情熱を宝石に注いだ。歴史的に稀有で貴重な宝石の多くを彼が手がけている。
54
アーサー・キング製リング
1960年代
アメリカ
黒真珠、ダイヤモンド、ホワイトゴールド
署名 King
OA.2012-0529
つるっとした石とジャングルのような金属のコントラストが際立つ。
61
ジリアン・パッカードによるダイヤモンドの指輪
1960年頃
イギリス
ダイヤモンド、金
Signed: GEP
OA.2012-0663
本作は2つに分かれる。ビルが立ち並ぶ街の一角にも見える。
68
フェデ・リング
16世紀
旧スペイン植民地
金
OA.2012-0170
フェデ・リングは握り合う右手同士を表した指輪。古代ローマ以降、愛と結婚を象徴する典型的な指輪となる。フェデは「信頼」を意味するイタリア語。
69
ギメル・フェデ・リング
16世紀後期-17世紀
ドイツ
ダイヤモンド、ルビー、エナメル、金
銘(フープ内側)「楽しい時も苦しい時も天の御加護がありますように」
OA.2012-0174
ギメルの語源は「双子」を意味するラテン語。
70
ギメル・フェデ・リング
16世紀後期
オランダ
エナメル、金
銘(フープ内側)「愛は勝つ」 「結婚で死ぬまで一心同体」
OA.2012-0173
フェデ・リングとギメル・リングの組み合わせ。愛の最強コンビ。
74
蜂のブローチ
1960年代
制作地不詳
サファイア、エメラルド、金
OA.2012-0578
胴体はたくさんの小粒のエメラルドと金のドット、目はサファイヤからなる蜂のピン。本作とno.75は一対。
81
トンボのプリカジュール
1900年頃
フランス
エメラルド、エナメル、金
スタンプ L. Gaillard
OA.2012-0454
リュシアン・ガイヤール作。金属枠内のエナメルには裏打ちがないので光が透過する。
82
テリアのミニアチュール
指輪は19世紀;インタリオは1890年頃
指輪はドイツ、インタリオはおそらくイギリス
水晶、螺鈿、銀
OA.2012-0342
no.79と同様のテクニックを用いている。
84
雄牛を襲うライオン
18世紀後期
イギリス
サードニクス、金
署名 「ロイヤル・アカデミーのバーチ」
OA.2012-0274
エドワード・バーチ作。本作は同様の場面が表された古代の宝石彫刻が着想源となっている。
89
デイビット・ウェッブ製ライオンの指輪
1960年代
アメリカ
ダイヤモンド、ルビー、エナメル、金
署名 Webb
OA.2012-0535
目はルビー、耳はダイヤモンドでできている。頭上には2.98カラットのダイヤモンドが鎮座する。
91
ポイント・カット・ダイヤモンドの指輪
16世紀-17世紀前期
制作地不詳
ダイヤモンド、金
OA.2012-0157
ポイントカットのダイヤモンド。技術が進化しピラミッド形に加工された。ポイントカットは17世紀まで続く。
92
ホグバック・ダイヤモンドの指輪
16世紀後期
おそらくイギリス
ダイヤモンド、エナメル、金
OA.2012-0158
ホグバックー豚の背ーと称するカットが施されている。屋根のような形をなす6つの面をもつ。16世紀に広く用いられた。
93
テーブル・カット・ダイヤモンドの指輪
17世紀前期
おそらくイギリス
ダイヤモンド、エナメル、金
OA.2012-0195
机のような広い平面をもつテーブルカットが施されている。ベゼルは中が空洞になっていて帆立貝のように開閉可能。
94
詩人ダンテ
18世紀後期
イギリス
鉛ガラス、ダイヤモンド、金
OA.2012-0262
ジェームズ・タッシー作。多数の三角形の面からなるローズカットが施されている。この手法は17世紀初頭以降盛んに用いられた。
95
ダイヤモンドのクラスター・リング
1914年頃?おそらく後世のコピー
制作地不詳
ダイヤモンド、エナメル、プラチナ
OA.2012-0480
大粒のダイヤモンドにブリリアントカットが施されている。58個の面をもつ。最上の輝きをもたらすこの手法は18世紀に考案された。
96
テーブル・カット・ダイヤモンドの指輪
17世紀後期
制作地不詳
ダイヤモンド、エナメル、金、銀
OA.2012-0187
ダイヤモンドの銀のベゼルは17世紀後半に登場した。金が反射する黄色い光を避け、ダイヤモンドの輝きをより引き立てる役目を果たす。
97
6本の爪で支えられたダイヤの指輪
19世紀後期
おそらくアメリカ
ダイヤモンド、金
OA.2012-0319
1886年に発表されたティファニーセッティングに類似する6本の立て爪をもつ。あらゆる方向から光が入る画期的なセッティング。
98
メルシャン製ダイヤモンドのソリティア・リング
1960年頃
フランス
ダイヤモンド、ホワイトゴールド
押印 MM
OA.2012-0609
ダイヤモンドが4本の立て爪で支えられ、幾何学的な囲いが檻のように石をガードしている。
105
5つの頭と10の顔
16世紀後期-17世紀
イギリス
金
OA.2012-0180
上下反転で異なる顔がそれぞれ5つ現れる。4つは横顔、さらに内側2つの横顔が見方によって正面向きの顔にもなる。
106
頭部が表された印章指輪
インタリオは2世紀、マウントは20世紀後期
マウントはアメリカ、インタリオは古代ローマ
ダイヤモンド、ジャスパー、金
署名 JAR
OA.2012-0582
2つの横顔を90度回すと別の横顔が2つ現れる。
107
《インディケーター》
1995年
イギリス
キュービック・ジルコニア、マイクロチップ、タンタル・ニオブ、ホワイトゴールド、アクリル樹脂
OA.2012-0672
橋本氏が制作を委託した「デスティネーション」というタイトルをもつ6作品からなるジュエリー一式から5つを紹介。本作にはマイクロチップが仕込まれている。
108
《メジャー》
1995年
イギリス
キュービック・ジルコニア、ホワイトゴールド、ニッケル合金、アクリル樹脂
OA.2012-0669
ラムショウによれば「デスティネーション」は空想の情景から作られた仮想の地図の中にあるひとつの場所を指す。本作はイヤリング。
112
ヒキガエル石の指輪
17世紀中期
おそらくイギリス
ヒキガエル石、エナメル、金
銘(ベゼル裏面にモノグラム)「TC」
OA.2012-0194
ヒキガエル石はカエルの頭から取れると信じられていたが、実際には化石となった魚の歯。毒をも制するとみなされた。
115
毛髪の納められた指輪
18世紀後期
イギリス
真珠、毛髪、ガラス、金
銘(ベゼル裏)「アンナ・ソフィア・エジャートン」
OA.2012-0289
家族や恋人あるいは故人となった大事な人物の髪の毛がしばしば収められた。
124
オニキスとダイヤモンドのアール・デコ・リング
1930年頃
フランス
ダイヤモンド、オニキス,金、プラチナ
OA.2012-0495
no.125のデッサンに描かれた指輪のデザインに類似する。クッション形のダイヤモンドがオニキスに縁取られている。
127
真珠とローズ・ダイヤモンドの指輪
1925年頃
スペイン
真珠、ダイヤモンド、合成ルビー、金
署名 Store
OA.2012-0591
作者のエミリ・ストレ・アロサは画家でもあり彫刻家でもあった。本作はキュビスムの影響を受けている。
129
魔法使いキルケー
1961年
フランス
金
銘(フープ内側?)「ブラックのアクセサリー、19/250 LP2799 ヘーガー・デ・レーヴェンフェルト」
OA.2012-0606
ジョルジュ・ブラックが手がけた最初のジュエリーシリーズの中の一作。
131
ジャン・フーケのデザインによるラピスラズリの指輪
1928年
フランス
ラピスラズリ、金
OA.2012-0595
ジャン・フーケが目指したのは「遠くから見てもデザインの細部がわかる」シンプルなジュエリーだった。
132
ジョルジュ・フーケのデザインによるラピスラズリの指輪
1935年頃
フランス
エナメル、ラピスラズリ、プラチナ
署名 G. Fouquet
OA.2012-0596
作者はジャンの父親。アール・ヌーヴォーの世界で最も成功したジュエラーの一人。
133
ブリリアント・カット・ダイヤモンドの指輪
現代
フランス
ダイヤモンド、金
署名 Fred
OA.2012-0516
ベゼルを構成する直径の異なる3つの輪が個別にぐるぐる回転する。フレッド製。
136
哀悼の指輪
1860年頃
制作地不詳
ダイヤモンド、エナメル、金
銘(ベゼル内側)「TF1844年永眠、LF1844年永眠、JF1858年永眠、JF1860年永眠」(フープ外側)A、M、W、M、I、S、A、E、D、C、M
OA.2012-0413
ベゼルの蓋にはローズカットのダイヤモンドが飾られている。
137
パズル・リング
1840年頃
制作地不詳
カラーストーン、ダイヤモンド、金
OA.2012-0336
4つのフープが合体するとローズカットダイヤモンドの周りを8つのカラーストーンが取り囲むクラスターリングとなる。
138
三連のエタニティー・リング
1920-30年
制作地不詳
ダイヤモンド、エメラルド、サファイア、銀、金
OA.2012-0563
ベゼルは3列構成。両端2列のダイヤモンドを180度回すことによって中央の列としてエメラルドとサファイヤのどちらかを選べる。
139
ヴェンペ製ゴールド・リング
制作年代不詳
ドイツ
ダイヤモンド、ホワイトゴールド、金
OA.2012-0557
フープの外側を回すと「MAYBE YES」「MAYBE NO」という文字が交互に現れる。「自分を愛しているか否か」を意味する。
140
シーマン・シェップ製インカ・ゴールド・ディスク・リング
1950-60年代
アメリカ
小石、金
OA.2012-0530
ベゼルの中に小さな石が入ってるので指輪を振ると鈴のように音がする。ベゼルを飾るのはインカで作られた金の円盤。
141
スカラベ
中王国時代、12-13王朝、紀元前1991-1650年頃
エジプト
アメシスト、金
OA.2012-0002
スカラベつまりふんころがしは古代エジプトの典型的なモチーフ。no.185と異なり裏面に文字は刻まれていない。
142
スカラベとパピルスの葉
1900年頃
フランス
ファイアンス、エナメル、金
署名 Lalique
OA.2012-0452
エジプトのスカラベを模したアール・ヌーヴォーの指輪。ルネ・ラリック作。
143
金線細工と粒金細工の指輪
紀元前6-5世紀
エトルリア
金
OA.2012-0023
イタリア半島の古代民族エトルリア人は神業ともいえる金細工技術をもっていた。本作には金線細工と粒金細工が施されている。
150
サン・ピエトロ広場のガラスモザイク
1830年頃
イタリア
ガラス、金
OA.2012-0358
おそらくローマでお土産として売られていたもの。本作に見られるマイクロモザイクは古代ローマのモザイク技術に由来する。
151
受胎告知
16世紀、マウントは後世
おそらくヴェネツィア
ルビー、金
OA.2012-0182
蛍光は物質の中の分子が紫外線のエネルギーを受け取って少し高いエネルギー状態にぽんと上がることから始まる(次作に続く)。
152
ガーネットのクラスター・リング
18-19世紀
スペイン
ガーネット、金
OA.2012-0245
そのエネルギーの高い状態から熱を発して少し低い状態になったあと、元のさらに低い状態にすとんと落ちる(続く)。
153
ローズ・カット・ダイヤモンドのソリティア・リング
17世紀
制作地不詳
ダイヤモンド、エナメル、金
OA.2012-0185
その最後の高さで決まるエネルギーに相当する光が蛍光として放たれる(続く)。
154
オスカー・ハイマン・ブラザーズ製リング
おそらく1980年代
アメリカ
サファイア、ダイヤモンド、金
署名 HB
OA.2012-0528
したがって吸収したエネルギーよりも小さなエネルギーの光、つまりより波長の長い光が放出される。
162
ポイント・カット・ダイヤモンドを模したブロンズ製指輪
15世紀
イギリス
ブロンズ
OA.2012-0124
安価なブロンズをダイヤモンドの代わりに用いている。テムズ川の河岸で発見された指輪。
166
瑪瑙を模したエロスのガラスカメオ
紀元前1世紀
古代ローマ
ガラス、金
OA.2012-0088
ガラスでオニキスを模している。リングも古代のオリジナルで、ガラスカメオの指輪としてはめずらしい。
168
哀悼の指輪
1768年
イギリス
ガラス、毛髪、ルビー、金
銘(フープ外側)「ジェイムズ・マリー1768年5月27日29才で永眠」
OA.2012-0297
木を形作っているのは髪の毛で、モスアゲートを模倣している。
171
パパル・リング
15世紀
イタリア
水晶、ブロンズ、鍍金
銘(フープ外側)「教皇パウルス2世」
OA.2012-0141
パパル・リングと呼ばれる巨大な指輪。パパルは教皇を意味する。本作のフープ外側の底の部分に15世紀後半の教皇パウルス2世の名が刻まれている。
172
エドワード4世の遺髪が納められた指輪
1789年
イギリス
ガラス、毛髪、金
銘(ベゼルの縁)「名立たるイングランド国王エドワード4世、1483年ウィンザーにて埋葬」
OA.2012-0298
エドワード4世(1442-83)の墓は1789年ウィンザーの聖ジョージ礼拝堂で発見された。本作はその遺髪を納めている。
173
アントン・ラファエル・メングスのミニアチュール
1775年頃
イタリア
ミニアチュール、ガラス、金
銘(ベゼル裏)「ラファエル・メングス1728年生、トーマス・ロレンス卿1769年生、ブロクサム牧師、ウィリアム・ホルマン・ハント1827年生」
OA.2012-0261
ベゼルの裏に4人の所有者の名が刻まれている。最初はメングス自身、4番目はラファエル前派の画家ウィリアム・ホルマン・ハント。
175
ダイヤモンドの指輪
18世紀後期
ポルトガル
ダイヤモンド、金、銀
OA.2012-0240
郵便事業で富を気づいたトゥルン・ウント・タクシス侯爵家が所有していた。王侯貴族由来の18世紀の宝飾品の稀な例。
179
金製指輪
19世紀
ジャイプル
ダイヤモンド、エナメル、金
OA.2012-0781
ベゼルの裏もびっしりと装飾されている。大きさからすると親指にはめたものだろう。インドの指輪は純粋な飾りものだった。
184
スカラベ
紀元前1539-1069年頃、新王国時代
エジプト
ステアタイト、銀
銘(スカラベ裏)「天空の神アメン・ラー」
OA.2012-0004
古代エジプトではスカラベが印章として広く用いられた。指輪として身につけるときはスカラベの面を見せていた。
185
スカラベ
紀元前1539-1069年頃、新王国時代
エジプト
ステアタイト、ブロンズ
銘(スカラベ裏)「アメン・ラー」
OA.2012-0005
印章として用いるときはスカラベを反転した。文字通りのウェアラブルデバイス古代版。
192
カメラが隠された指輪
1950年頃
ロシア
レンズ、金、スティール
OA.2012-0689
ロシアのスパイが1950年代に使用したものと言われている。ネガフィルムで4x4mmの写真が8枚撮れた。
193
キューピッドのカメオ
16世紀
制作地不詳
オニキス、金
OA.2012-0177
本格的な指輪の収集は19世紀にようやくイギリスで始まった。本作はエルネスト・ギルのコレクションだったが、彼も19世紀のコレクターの一人だった。
194
二人の若い男性
インタリオは18世紀、マウントは現代
制作地不詳
ニコロ、金
OA.2012-0276
かつてイオニデス・コレクションに入っていた。イオニデス一族はラファエル前派のパトロンでもあった。
195
ディオニュソスに扮したプトレマイオス12世アウレテス
インタリオは紀元前1世紀、指輪は現代
ヘレニズム文化圏
アメシスト、金
OA.2012-0037
レオン&ハリエット・ポメランス夫妻のコレクションだった指輪。彼らは古代作品を幅広く収集した。
197
ラブ・リング
1760年頃
制作地不詳
象牙、毛髪、ダイヤモンド、金、銀
銘(ベゼル内側)「友情のしるし」
OA.2012-0283
ジョーン・エヴァンズ(no.177参照)のコレクションだった。女性コレクターの草分け的存在。
198
ウェヌスの凱旋
16世紀、古代ローマ風のマウントのある指輪は後世
おそらくミラノ
サードニクス、金
OA.2012-0183
フィリス・フィリップスのコレクションだった。彼女もエヴァンズと並ぶ先駆的な女性コレクター。
199
ハーフ・フープ・リング
1890年頃
イギリス
ターコイズ、ダイヤモンド、金
OA.2012-0331
フローレンス・チャースキーのコレクションだった。彼女はジョージアンとヴィクトリアンのジュエリーを収集した。
200
エメラルドとルビーの指輪
19世紀
フランス
エメラルド、ルビー、箔、金
OA.2012-0326
ラルフ&ジョージア・コリン夫妻のコレクションだった。パーク・アヴェニューの屋敷には指輪とともにピカソやマティスの絵が飾られていた。
201
マーキーズ形の指輪
1900年頃
アメリカ
ダイヤモンド、エメラルド、金
OA.2012-0477
イザベル・バン・ウィー・ウィリス・コレクションだった。夫ウィリスはフォードについで2番目に大きいアメリカの自動車メーカーのオーナーだった。
202
バロック・パール・ペンダント
1890年頃
アメリカ
淡水真珠、ダイヤモンド、金、プラチナ
OA.2012-0488
ソラ・ロナルズ・マックエロイ・コレクションだった。彼女は鉄道王かつ石炭王であるスコット・タウンゼント家の遺産を引き継いだ
204
ギメル・リング
17世紀
制作地不詳
ルビー、ダイヤモンド、金
OA.2012-0227
リングを開くとハートの下に2体の骸骨が現れる。メメント・モリの思想を反映。夫婦の永遠の絆を象徴する指輪。
205
ギメル・リング
17世紀中期
イギリス
エナメル、金
銘(フープ内側)「この金の指輪をあなたに与えた人を愛せよ。あなたが年老いてもキスしてくれるのはその人なのだから。」
OA.2012-0228
青と白のエナメルで花と葉が描かれている。