このページは美術館の魅力を「もっと知りたい!」という皆様のご要望をかなえるため開設しました。
ここでは国立西洋美術館を西美(セイビ)と呼ぶことにします。
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 第1号で、「どようびじゅつ ファミリープログラム」が、当日を迎えるまでには様々な準備があることを紹介しました。
今号では、どようびじゅつ「イチ、ニ、サン、シ、Go!ロダン」のトライアル体験記をお伝えしましょう。


私は昔幼稚園教諭をしていたので、手渡された一日の流れに「導入」という文字を見つけて思わず血が騒ぎました。どんな感じで展開していくのでしょうか。ワクワクします。

どようびじゅつって何?とまだまだ私をはじめ未経験の皆さんにとっては謎多きこのプログラム。一体どんな企画なのでしょう?ドキドキです!

 7月より行われるどようびじゅつ「イチ、ニ、サン、シ、Go!ロダン」は、身体を動かす活動を楽しんだ後に作品鑑賞するという流れのプログラムです。

 会場では運動の講師・早川さんの指導の下、準備運動から徐々に簡単なゲームの要素を取り入れた運動にうつります。最初は2人組、次は3人組で・・・というように徐々にゲームの内容が造形的な要素を取り入れて濃くなっていきます。
皆さん真剣に取り組みつつも「えーどうする?どうやってみる?」と混乱しつつも笑いが絶えず、参加者になりきって楽しみながら実践していく様子が伝わってきます。
(右は”共同彫刻”のゲーム。4人組でお題のポーズを考えて表現します。今回のお題は「自動販売機」のポーズ。こちらのグループでは3人が自動販売機になり、もう1人が買いに来た人を演じました。)

 これらのゲームでは、勿論どのポーズが正解。というものはありません。各々が考え、どう表現したかが、大切なのです。昔、子供たちにも、「これが正解」というものばかりではないことを伝える難しさと、楽しさを味わったことを思い出しました。
”いろんな答えがあって、それでいい。”そんな楽しさを感じることが出来ました。

 さぁ次はいよいよ常設展の展示室へ! ここではロダンの作品を皆で鑑賞しながら、どんどん「この彫刻は筋肉が付いていて若い感じがする」「何かを話している様に見える」等意見を出していきます。早川さんのお話によると、運動をしてからの方が、その後の鑑賞で参加者から意見が出やすいのだそうです。なるほど、プログラムの順序も計算されたものなのですね。
前の活動を通して作品を鑑賞する楽しみ方が、それぞれに具体的に感じ取ることが出来るようになった様子でした。

 約1時間45分ほどのプログラムですが、楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。しかし、スタッフさんたちのお仕事は、まだまだ続きます。計画の上ではスムーズに行く予定のことでも、実際に行うと補足したほうが良い点などが見えてきます。それをとことん話し合うわけです。スタッフさんたち、皆さん忙しい!!

  プログラムの内容以外にも西美のホームページ上での告知の仕方や、アンケートについての意見など、実際に体験してならではの、きめ細やかなフィードバックで当日を迎える準備を万端に整えるのだとうかがえました。

 全ては参加してくれる方々のために。今回は、より楽しく、より深くアートを楽しんでもらえるようにたくさんのスタッフさんたちが活動を行っていることを知り、とても勉強になりました。皆様も、西美に来館され、ロダンの彫刻をとことん楽しんでみてくださいね♪

 

国立西洋美術館
ファミリープログラム どようびじゅつのページはこちら

取材:美術館.com水井美佳 
 

 

◆「西美」(セイビ)のひみつ(2)◆
このコーナーでは、「西美」の、知っているようで知らなかったこんなコトをお知らせします!
展示室のスタッフさんは学芸員さんではないんだって!

 ”展示室のスタッフ=美術館の学芸員さん”と思われている方、案外多いのではないでしょうか?しかし西美では、展示室のスタッフさんを一括して外部へ委託しているのだそうです。つまり展示室のスタッフさんは学芸員さんではないのです!

お仕事としては、作品の保護、警備を担当しているのですが、どうやったら展示室のスタッフになれるのでしょうか?インタビューしてまいりました。
「美術に興味のある方であれば特別な資格は無くても良いです。但し、基礎的な対応は必ず身につけてもらいます。」との事でした。

 ちなみに、「展示室内でガムをかんだりアメをなめるのは何故いけないのでしょうか?」と質問してみたところ、「飴やガムなどを口に含んでいると、万が一の咳やくしゃみなどで作品に付いてしまうことがあるので、お断りしています。」との事でした。なるほど。そういえば万が一ということはありますからね。

 スタッフさんたちは、自由に気持ちよく見ていただける環境を目指しているので、状況に応じて対応しているそうですが、もし注意をされてしまった場合は、「周りのお客様に何らかの迷惑を掛けていたり、作品保護の為の注意だと思ってご理解いただけると助かります。」との事でした。
私たち鑑賞者もついうっかり・・・といったミスを犯さないように気をつけなければと思いました。

 

西美のミュージアムショップは、入り口を入った正面に位置しています。観覧チケットが無くても開館しているときはいつでもお買い物ができる便利なフリースペースです♪


たくさんの絵葉書が壁一面にずら〜り!気に入ったものを探すのも楽しい。

 さて、早速ミュージアムショップのスタッフさんにインタビュー!
ショップの売れ筋ベスト3は?
1位 絵葉書
2位 アートファイル
3位 額絵

だそうです。
ところで、ミュージアムグッズの作品の図柄やモチーフはどうやって決めているのか気になったことはありませんか? 実は絵葉書の売れ筋ベスト10の中から選ばれるのだそうです。人気の作品はみんな記念に家へ連れて帰りたいですものね!

7月からの
新商品情報!!
7月から新発売になった商品を見せてもらいました!


あぶらとり紙(500円)
金箔打紙製法化粧紙(20枚綴り)
金沢の金箔製造のときに使用する紙で高品質のあぶらとり紙として有名。
ちなみに西美男性スタッフのAさんに試用してもらったところ、とっても良い使い心地と好評でした。女性は勿論男性へのお土産にもgoodですね♪

 


ロダンの「考える人」のモチーフの手ぬぐい(1050円)
 海外のお客様にも人気の商品になりそう!考える人がずらっと並んでいますが、反対を向いているのが違う色でポイントになっています。
(紺の地に白抜きデザインも候補に挙がったそうなのですが、今回はこの2色になったとの事。紺地のデザイン案も見せていただいたのですが、なかなか粋な感じがして良かったです。いつか製品化してくれたらいいなぁ。)

 

もう一つはロダンの「考える人」のA4サイズダブルタイプのクリアファイル(420円)と、A5サイズのクリアファイル(210円)。
(詳しくは下の新商品開発のお話のコラムをご覧下さい。)
シックなグレーの色合いに赤いロダンのサインがポイントとなっています!

オリジナルのアイテムを50種類以上扱っている西美のミュージアムショップ。私もミュージアムショップが大好きなので、自分用には勿論のこと、お友達や家族へのプレゼントに楽しみながら購入しています。ここでしか買えないオリジナルグッズはやはり魅力的です。
また、書籍も充実しています。なかなか普通の書店では扱っていない美術書がここではどっさり。あれもこれも欲しくなってしまうんです。
皆さんも一度じっくりみてまわってはいかがでしょう?きっと素敵な商品と出会えると思いますよ♪

◆ミュージアムグッズ新商品開発のお話◆
誰でも一度は手にした事のあるミュージアムショップのグッズたち。こういった商品はどうやって作られているのでしょうか? 今回7月から発売されたクリアファイルについて商品開発に携わった方を取材してきました。

その1:企画・デザイン案
まず、商品は今までの売れ筋や人気のものを検討します。また、使用する図柄は西美らしい作品を選びます。ショップスタッフの意向も伺い今回は、ロダンの「考える人」のクリアファイルが採用。但し定番のサイズではなく新しいサイズのものを考えます。
使う方の年齢層を設定することも、デザインや色合いを考える上で重要です。全て決まったら、図柄のサイズや配置を検討します。
その2:試作印刷
平なPP(ポリプロピレン:硬質でありながら折り曲げに対しては非常な強さを持っている素材。)に印刷をします。通常、西美のクリアファイルは高精細と言われる5色の印刷方法を使用していますが、今回のロダンはグレーと赤だけなので高精細ではなく2色の印刷です。今回のファイルでは、最初「考える人」を黒で検討していましたが、余りにもくっきりはっきりしていたためボツに。最終的に落ち着いたグレーとポイントとなる赤(ロダンの文字)を入れることで全体が引き締まった印象になりました。
その4:型抜きと圧着
抜き型といわれるもので、印刷した物を規定のサイズに抜いていきます。次に圧着機で電子的に糊付けし、一枚一枚丁寧に形にしていきます。
その5:PPの袋詰め
店頭に並べるための袋詰めでやっと完成です。(右写真参照)

オススメポイント♪
この7月に発売されたクリアファイルは、ロダンの「考える人」がモチーフ。表と裏に交互になるようにプリントされています。重ねると少し浮き上がったように市松模様になるのがポイント。
色合いをモノトーンで作っているので男性のビジネスシーンや、学生さんにも使っていただけるような商品ができあがりました。皆様もぜひお手にとって見てくださいね♪

 
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