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ドレスデン国立美術館展: 世界の鏡

  • ドレスデン国立美術館展: 世界の鏡
  • 2005(平成17)年6月28日- 2005(平成17)年9月19日
  • 会場:
    国立西洋美術館
    出品点数:
    絵画44点、彫刻3点、素描9点、版画27点、工芸54点、その他97点、計234点
    入場者数:
    286,330 人
    巡回先:
    兵庫県立美術館
    関連書籍:
    展覧会カタログ(エッセイ篇)
    2005年発行、112頁、高さ30m

この展覧会は、ドレスデンに居城を定めたザクセン選帝侯のコレクションを7つのセクションで見るものです。ドレスデンでは異国文化が愛され、様々な外国の美術が集められました。中でも、イタリア、フランス、オランダ、そしてトルコ、中国、日本の6つの国が重要でした。セクション1では、そうした異国文化の影響を見る前に、ドレスデンのコレクションの始まりが、美術作品ではなく科学計測機器であったことを概観します。16世紀後半に宮廷に設けられた「美術収集室」では、ザクセン選帝侯が愛した地球儀や天球儀、製図用具など、実際に使用された道具類が棚に並べられていました。

セクション2では、オスマン・トルコの美術とその影響を見ます。オスマン帝国は、ヨーロッパにとって迫り来る脅威でしたが、同時に、高い文化を誇る憧れでもありました。アウグスト強王の時代、ザクセン宮廷ではトルコ風の祝祭が執り行われるほどトルコ風が流行しました。

セクション3は、芸術の先進国イタリアです。ザクセン宮廷では特に、ヴェネツィアの風景画が多く購入されましたが、ドレスデンの風景画が望まれるようになると、カナレットの甥のベロットがドレスデンに招かれ、ヴェドゥータという流行の風景画様式でドレスデンの景観が多数描かれ居城を飾ります。

セクション4では、フランスの宮廷文化に焦点が合わせられています。アウグスト強王は、青年時代、ヨーロッパ見聞旅行に出ますが、太陽王ルイ14世のヴェルサイユ宮殿に数ヶ月滞在し、華麗な宮廷文化に衝撃を受けました。ドレスデンの居城をフランス風に改装すべく、祝祭や儀式、ファッションから家具に至るまであらゆることをフランス風に整えました。

セクション5は、中国と日本の工芸です。アウグスト強王は東洋の磁器に魅了され、薬剤師ベトガーに白磁の製作を命じました。東洋の磁器を集光鏡で熔かし成分を分析することで、ベトガーはヨーロッパ初の磁器製作に成功します。マイセン磁器は、ヨーロッパの宮廷の憧れの的となり、ザクセンの贈り物外交で絶大な効果を発揮しました。その絵付けに、中国や日本の磁器が手本であったことは言うまでもありませんが、後には独自の装飾も展開します。

セクション6では、オランダ絵画の巨匠レンブラントがドレスデンに及ぼした影響を見ます。ドレスデンのレンブラント・コレクションに基づいて、18世紀には、美術アカデミーの校長ディートリヒを中心に「レンブラント主義」とも呼べるレンブラント・ブームが興りました。

最後のセクション7は、ドイツ・ロマン主義の中心地としてのドレスデンです。ここまで見てきたように豊かな美術コレクションで有名なドレスデンに、19世紀の若い芸術家たちや作家たちが集まってきました。ドレスデンは文化と芸術でドイツを代表する町となったのです。一般公開されていたギャラリーは、ゲーテも訪れその興奮を書き記したことで有名ですが、若い美術家たちもそのコレクションから強い刺激を受けます。とりわけ、ゲーテが称賛したことで、オランダの風景画家ロイスダールはロマン派のイコンとなります。その自然主義的な風景描写を手本としながら、ロマン主義に特徴的な「季節や時間の感覚」を織り込んだ叙情的な作品が生み出されたのでした。なかでもフリードリヒは、ドイツ近代美術を代表する作家として知られています。また、ダールが描いた《満月のドレスデン》には、イタリアのヴェドゥータの様式とオランダの写実的な描写の融合を見ることができるでしょう。この一点に、ドレスデンのコレクションの特徴が映し出されていると言っても過言ではありません。長い時代にわたって国際的な文化を万華鏡のように映し出してきたドレスデンという鏡が、世界に向かって送り返した光はロマン主義の美術として私たちの前に像を結んだのです。

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