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作品紹介

19,20世紀
(第二次大戦前)

写真:ジャン=バティスト=カミーユ・コロー ナポリの浜の思い出)

  • ジャン=バティスト=カミーユ・コロー
  • 1796年 - 1875年
  • ナポリの浜の思い出
  • 1870-72年
  • 油彩/カンヴァス 175 x 84 cm
  • 左下に署名: COROT
  • P.1970-0003
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コローは生涯に三度イタリアに旅行しているが、彼が本作品の主題であるナポリを訪れたのは最初の遊学の際のただの一度に過ぎず、しかもかなり短期間であったと推定される。その時、彼はナポリの城、ヴェスヴィオス山、イスキア、アマルフィなどを描いたスケッチ風の小品を数点残しているが、このナポリ旅行は非常に印象深かったらしく、後年1840-42年には友人ロベールのために壁画《ナポリの田舎の思い出》(ルーヴル美術館)を制作し、また同時期に《ナポリの周辺》(スプリングフィールド美術館)を描いて1841年のサロンに出品、さらに20年余りのちの1863-65年には《ソレントの羊飼いの踊り》(ルーヴル美術館)を描いている。本作品はこのナポリ旅行に想を得た作品としては年代的に最後に位置し、コローの晩年の画風を如実に示している。彼の作品としては大作に属し、それも縦長の画面を大胆に用いて、両側に高く、葉が煙るように揺れる樹木を配し、遠方に明るいナポリの浜を描くという熟考された画面構成を示す。木蔭をなす前景では幼児を抱いた女とタンバリンを左手にかかげた女が手をつないで踊っている。このようなモティーフは《ナポリの周辺》にも見られたが、本作品の場合は、それに加えて銀灰色の微妙なニュアンスが画面全体を支配しており、いかにも追憶の光景に相応しい雰囲気が醸し出されている。

(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 60)

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