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美術館の建築

概要

所在地
東京都台東区上野公園7番7号
土地
所有地2,208平方メートル
借用地7,080平方メートル
9,288平方メートル
建物
建築総面積3,636平方メートル
延床面積17,369平方メートル
展示室4,420平方メートル
収蔵庫1,097平方メートル

美術館:外観

各施設

本館

重要文化財(建造物)国立西洋美術館本館 2007(平成19)年 指定
戦後、日仏間の国交回復・関係改善の象徴として、20世紀を代表する建築家のひとりであるフランスの建築家ル・コルビュジエ(1887-1965)の設計により、1959(昭和34)年3月に竣工した歴史的建造物です。

  • 美術館:内観
  • 美術館:外観
  • 美術館:内観
階数
地上3階、地下1階
構造
鉄筋コンクリート造
設計
ル・コルビュジエ(Le Corbusier)
監理
坂倉準三、前川國男、吉阪隆正
文部省管理局教育施設部工営課(当時)
竣工
1959(昭和34)年3月
建築面積
1,587平方メートル
延床面積
4,399平方メートル

ル・コルビュジエ

ル・コルビュジエ(1887-1965)、本名シャルル=エドゥアール・ジャンヌレはスイスのラ・ショ-=ド=フォンに生まれ、同地の美術学校で学びながら建築家を志すようになります。オーギュスト・ペレやペーター・ベーレンスという当時一流の建築家のもとで働き、またヨーロッパ各地で歴史的建造物や新しい建築運動に触れた後、1917年にパリに拠点を移しました。そこで画家アメデ・オザンファンとともに「ピュリスム(純粋主義)」を提唱し、絵画制作に取り組みながら、1920年に創刊した雑誌『レスプリ・ヌーヴォー(新精神)』において「ル・コルビュジエ」のペンネームで建築論を連載し、新しい建築や都市のあり方を問い始めます。1922年に従兄弟のピエール・ジャンヌレと事務所を設立すると、以降は建築家として旺盛な活動を展開し、合理性や機能性を追求した近代建築の先駆者として重要な足跡を世界各地に残していきました。さらにCIAM(近代建築国際会議)への参加や膨大な数の著作を通じて、ル・コルビュジエの思想や手法は世界的に広がり、20世紀以降のモダニズム建築や都市計画の方向性を決定づけました。

写真:ル・コルビュジエと国立西洋美術館模型、1956年
ル・コルビュジエと国立西洋美術館模型、1956年

前庭リニューアル

国立西洋美術館は2020(令和 2)年10月19日から2022年(令和4)年4月8日までの約1年半にわたる休館期間に、前庭のリニューアル工事をおこないました。

当館の前庭は1959年の開館以来、美術館としての機能の向上を目的に、様々な改変が行われてきました。一方で、2016(平成28)年に本館と前庭を含む敷地全体がユネスコの世界文化遺産(「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」)に登録された際に、ル・コルビュジエの設計による当初の前庭の設計意図が一部失われているという指摘がなされました。そのため、今回の工事では、地下にある企画展示室の屋上防水を更新する機会に、ル・コルビュジエの本来の設計意図が正しく伝わるように、前庭を本館開館時の姿に可能な限り戻すことといたしました。

本館開館時の正門は、上野公園の噴水広場に面した西側にありました。前庭は、植栽の少ない広いオープンスペースとなっており、外部との連続性を持たせるため、園路から彫刻や本館を見渡すことができる透過性のある柵で囲われていました。前庭の床面には、この西側の正門からロダンの《地獄の門》へと一直線に伸びる線と、途中で左に直角に曲がり本館へと誘う線が引かれていました。このT字の線は、床の目地の中でも特に目立つように敷かれ、人の動きを誘導するかのような役割を担っていました。

この度の前庭リニューアルでは、植栽を最小限とし、西側の門からのアプローチと開放的な柵、ロダンの彫刻《考える人》と《カレーの市民》の位置をできる限り当初の状態に戻しました。またル・コルビュジエが人体の寸法と黄金比をもとに考案した尺度である「モデュロール」で割りつけられた床の目地も、細部に渡って復原しました。

  • 写真:1959年の本館開館時の様子 1959年の本館開館時の様子
    (撮影:東京フォトアート)
  • 写真:2016年の前庭の様子2016年の前庭の様子
  • 写真:2022年の工事後の前庭の様子2022年の工事後の前庭の様子

動画『ル・コルビュジエと国立西洋美術館』

当館の建築を紹介するオンライン・レクチャーをYouTubeにて配信しております。2020年10月以降、約1年半の休館中に行われた前庭の復原工事に加え、ル・コルビュジエの構想、増改築による変遷、世界遺産登録、日本の近代建築への影響など、様々な観点から当館の建築について、専門家の登壇者お二人にお話しいただきました。撮影時期の異なる当館の写真や図面などの資料もご覧いただけます。

『ル・コルビュジエと国立西洋美術館』

第1部
レクチャー「当初から今日まで」
第2部
レクチャー「前庭の復原とこれから」
第3部
対談 「ル・コルビュジエと3人の日本人建築家 ―日本の近代建築への影響―」
出演
西和彦(文化庁 文化資源活用課 文化遺産国際協力室 世界文化遺産部門 主任文化財調査官)※動画中の肩書は撮影時のものです。
松隈洋(京都工芸繊維大学 教授)
司会
福田京(国立西洋美術館 専門員)

2021年12月13日撮影/2022年2月配信
*第1部、2部は西氏によるレクチャー、3部は西氏、松隈氏の対談

新館

  • 美術館:内観
  • 美術館:内観
  • 美術館:内観

国立西洋美術館設立20周年の記念すべき年(1979年)に竣工。ル・コルビュジエの設計した本館と一体に機能するように新館を増築しました。外壁は深緑色のせっ器質タイルを打ち込んだオープンジョイントのPC板となっています。本館と一緒になって欅・銀杏などを抱き込むように配置され、それによって緑ふかい中庭が作り出されました。

階数
地上2階、地下2階
構造
鉄筋コンクリート造
設計監理
株式会社前川國男建築設計事務所
竣工
1979(昭和54)年5月31日
建築面積
1,480平方メートル
延床面積
4,902平方メートル

企画展示館

企画展示館は21世紀に向けた企画・特別展、修復保存、美術教育、情報資料部門等を中心とした美術館活動の一層の充実を図る目的で建設されたものです。企画展示館は前庭の地下に位置する展示室と、本館西側の地上棟で構成されています。

階数
地上2階、地下4階
構造
鉄骨鉄筋コンクリート造
設計監理
建設省関東地方建設局営繕部
株式会社前川建築設計事務所
竣工
1997(平成9)年12月25日
建築面積
524平方メートル
延床面積
7,979平方メートル

世界文化遺産「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」

2016年(平成28)7月17日、イスタンブールで開催された第40回世界遺産委員会において、国立西洋美術館本館および園地を含む、ル・コルビュジエの建築作品群が「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」として世界文化遺産に登録されました。フランス、スイス、ベルギー、ドイツ、アルゼンチン、インド、日本の7か国に点在する17の資産で構成されており、三大陸にまたがる複数の構成資産が世界遺産として初めて一括登録されました。これらの資産は総体として、ル・コルビュジエが主要な役割を担った「近代建築運動」、つまり、19世紀以前の伝統的な様式建築を批判し、近代社会の求めに応じた新しい建築をめざした運動が、20世紀を通じて全世界規模で広がり実践されたことを証明しています。

ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―

世界遺産パンフレット

世界遺産パンフレットの表紙

日本語

※印刷用ファイルを両面印刷して四つ折りにすると携帯に便利なパンフレットになります。

デジタルコンテンツ
ゆびさきでめぐる世界遺産-ぐるぐる国立西洋美術館-

空間再現ディスプレイで見る3Dモデル

裸眼で見られる空間再現ディスプレイ上で、実在感のある3Dモデルを没入感や立体感とともに鑑賞することができます。コントローラーを使って、本館の断面や19世紀ホール、3階の旧館長室や中3階照明ギャラリーの室内を左右上下に移動したり、水平・垂直方向の断面など、好きな場所をご覧ください。

設置場所:本館19世紀ホール世界遺産コーナー

画像:設置場所:本館19世紀ホール世界遺産コーナー

スマートフォン用コンテンツ

館内5カ所に設置した二次元バーコード(※)をスマートフォンで読み込み、主に非公開ゾーンを歩くように体験できます。鳥のように上空から建物を眺めたり、通常は公開されていない照明ギャラリーをのぞき込んだり、階段を使って屋上に上がったり、…ゆびさきでめぐるデジタル建築ツアーをお楽しみください。

画像:スマートフォンによる体験イメージ1

※展示室の床に貼っているシールのイメージ

コンテンツはこちら

コンテンツ内容

No.1
外観と屋上
No.2
19世紀ホール
No.3
中3階バルコニーと照明ギャラリー
No.4
旧館長室
No.5
階段

※No.3,4,5のご利用には常設展の観覧券が必要です。

※スマートフォン端末のブラウザを利用して体験するコンテンツです。一部のスマートフォン端末やタブレット端末は、コンテンツが正しく動作しない場合があります。

二次元バーコード設置場所

画像:二次元バーコード設置場所