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踊るサテュロスとニンフのいる風景

クロード・ロラン
1604/05年 - 1682年
踊るサテュロスとニンフのいる風景
1646年
油彩/カンヴァス 98 x 125 cm
右下に署名、年記: CLAVD [...] / I.V.R. [FECIT] 164 (6?)
P.1975-0008

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前景右手では牧羊神パンが花冠をつけ、三人の侍女を連れた美しいニンフと並んで坐り、半人半獣のサテュロスとニンフの踊りを見ている。山羊までもが一緒になってサテュロスの子と踊り戯れる。彼らをクロード特有の牧歌的情緒の漂う自然が大きく包み込む。小高い丘に緑陰を落とす画面右半分とは対照的に、左半分はみずみずしい空気と柔らかな光を湛えながら、遥か遠くの山並みへと抜けていく。その上に広がる空と雲もイタリア的な明るさに満ち、しばしば湿気を帯びた空気や大地を描き出したオランダの風景描写とは好対照をなしている。
クロードは自分の油彩作品の構図をスケッチして記録し、『真実の書』と題するアルバム(ブリティッシュ・ミュージアム)に集大成しているが、その108番(1646/47年)に本作品と同じ構図が描かれている。それによると本作品はリヨンの大商人で人文学者でもあったフィリップ・シルヴェストル・デュフールのために制作されたものである。クロードがあまり描いたことのないパンとニンフをここで主題にしているのは、デュフールの注文による可能性が強く、しかも結婚を記念しての注文であったかも知れない。

(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 41)

写真:クロード・ロラン 踊るサテュロスとニンフのいる風景