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エバイ(びっくりした男)

ジョルジュ・ルオー
1871年-1958年
エバイ(びっくりした男)
1948-52年頃
油彩/基底材不明(積層板で補強あるいは積層板に移行)、着彩の額付 39.7 x 25.6 cm(画面のみ);60.8 x 46.8 cm(額)
右下に署名: G.Rouault
P.1977-0005

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本作品は当館所蔵の《リュリュ》と共に、ルオー晩年の典型的な作品の一つである。第二次大戦後のルオーの芸術は主題、画風ともに大きな変化は認められないものの、極端な厚塗りが好んで用いられている。本作品も遠くから見ればあたかも光を発しているような、透明感をすら感じさせる画面であるが、近付いて見ると、厚い色層の重なる激しいマティエールに驚かされる。この《エバイ》は道化を主題としたものと考えられるが、ルオーはこの主題をすでに1910年代初めのサーカスの連作で何度か扱っている。ただここに見られる道化には、初期のものに見られる暗さや社会的諷刺性はなく、むしろ作者晩年の穏やかな心境が感じられる。このように頭部だけの像も晩年の作品によく見られるが、こうした像に、画家はしばしば自ら彩色した額縁を付しており、本作品もその例にもれない。

(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 115)

写真:ジョルジュ・ルオー エバイ(びっくりした男)