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雌鶏と少女

モーリス・ドニ
1870年-1943年
雌鶏と少女
1890年
油彩/カンヴァス 134.5 x 42.5 cm
右下に署名、年記: MAV DENIS / 1890
P.1986-0001

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この絵の制作された1890年は、ドニが初めてサロンに入選し、続いて「絵画とは、一定の秩序のもとに配された色彩によって覆われた、平らな面であることを忘れまい」という、有名な絵画の定義を含む論文を発表した年として重要である。事実この作品には、縦長の画面や署名などにみられる日本美術の影響、モザイクのような装飾的効果を発揮する点描技法の使用、宗教的礼拝像にも似た人物の取り扱いなど、この時期のドニの作品に特徴的なさまざまな要素が指摘されよう。そして、画面全体には、見慣れた身辺の事物の中にほのかな神秘感を漂わせるという、象徴主義時代のドニ芸術の手法が見事に発揮されている。

(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 107)

写真:モーリス・ドニ 雌鶏と少女