過去の展覧会小企画展
もうひとつの19世紀
―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち
- 会期
- 2023年9月19日(火)〜2024年2月12日(月・休)
- 開館時間
- 9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)
※入館は閉館の30分前まで - 休館日
- 月曜日(ただし、10月9日(月・祝)、2024年1月8日(月・祝)、2月12日(月・休)は開館)、10月10日(火)、2023年12月28日(木)~2024年1月1日(月・祝)、1月9日(火)
- 会場
- 版画素描展示室(常設展示室内)
- 観覧料金
- 一般500円(400円)、大学生250円(200円)
本展は常設展の観覧券または企画展「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」(10月3日(火)~2024年1月28日(日))観覧当日に限り、同展観覧券でご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体料金(要予約)
※高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)
※心身に障害のある方及び付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)
※10月8日(日)、11月12日(日)、12月10日(日)、2024年1月14日(日)、2月11日(日・祝)は本展及び常設展は観覧無料(Kawasaki Free Sunday)
※11月3日(金・祝)は本展及び常設展は観覧無料(文化の日)
- 主催
- 国立西洋美術館
- 協力
- 西洋美術振興財団
- 広報資料
- お問合せ
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)
19世紀後半のフランスおよびイギリス美術と聞いて、みなさんが思い描くのは一体どんな絵画でしょうか。フランスにおけるレアリスムや印象派、あるいはイギリスのラファエル前派や唯美主義による作品が浮かんだ方も少なくないでしょう。しかし、今日エポックメーカーとして俎上にあがる芸術運動と画家たちの背後には、常にアカデミー画家たちがおり、彼らこそが当時の画壇の主流を占め、美術における規範を体現していました。
かれらは、それぞれの国において最も権威ある美術教育の殿堂であったアカデミー――1648年、フランスで創立された王立絵画彫刻アカデミーと1768年にイギリスで誕生したロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ――に属し、古典主義的な芸術様式を遵守した画家たちです。
しかしアカデミーの権威と伝統は、社会の急速な近代化によって揺らぎ、19世紀後半になるとアカデミスムは衰退の危機をむかえます。そんななか、アカデミーで地歩を固めた画家たちは時代の変容や新たな画派の登場に決して無関心ではありませんでした。むしろ変化に富んだ時代において、需要に応じて主題や様式、媒体を変容し制作を行いながら、アカデミーの支柱としてその伝統と歴史を後世に継承しようと努めたのです。本小企画展では、ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(1825-1905)やジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)をはじめとする両国のアカデミー画家たちのキャリアを辿り、多様化した主題やモティーフ、モデルに焦点をあてることで、その柔軟かつ戦略的な姿勢と彼らが率いた「もうひとつの19世紀」を浮き彫りにします。
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ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《小川のほとり》
1875年 油彩、カンヴァス 寄託作品 -
ジョン・エヴァレット・ミレイ《あひるの子》
1889年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館
水嶋徳蔵氏より寄贈(旧松方コレクション)
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ウィリアム・アドルフ・ブーグロー
《ガブリエル・コットの肖像》
1890年 油彩、カンヴァス 寄託作品 -
ラファエル・コラン《詩》
1899年 油彩、カンヴァス 国立西洋美術館
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ジャン=ジャック・エンネル《ノエツラン夫人の肖像》
油彩、カンヴァス 国立西洋美術館 松方コレクション