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フリッツ・ルフト・コレクションの所蔵作品による キアロスクーロ: ルネサンスとバロックの多色木版画
フリッツ・ルフト・コレクションの所蔵作品による キアロスクーロ: ルネサンスとバロックの多色木版画
- 会期
- 2005(平成17)年10月8日- 2005(平成17)年12月11日
- 会場
- 国立西洋美術館
- 主催
- 国立西洋美術館、クストディア財団、財団法人西洋美術振興財団
- 出品点数
- 版画83点
- 入場者数
- 30,176人
- 関連書籍
- 展覧会カタログ
2005年発行、198頁、高さ25m
ルネサンス美術たけなわの16世紀はじめ、版画の表現法が大きく広がった時期に、ドイツで新たな木版画の技法が発明されました。同系色の版を重ね合わせて刷ることにより、微妙な明暗や立体感を表現することに成功したのです。この技法は大きな反響を呼び、ルネサンス美術の中心地イタリアで発展しました。
そして「キアロスクーロ」というイタリア語で「明暗」を意味する言葉で呼ばれるようになります。キアロスクーロ木版画はその後、フランドル(現在のベルギーとオランダ南部)、オランダ、フランス、イギリスにも広まりました。作品はコレクターにたいへん愛好され、ほかの版画技法とは別格の高い評価を得ていました。
本展では、版画・素描コレクションで名高いパリのクストディア財団(フリッツ・フルト・コレクション)が所蔵する110点の作品に、アムステルダム国立美術館が所蔵する2点の作品を加えた計112点によって、キアロスクーロ木版画の流れを概観します。ブルクマイアー、ウーゴ・ダ・カルピ、ベッカフーミ、ホルツィウスら、キアロスクーロ木版画の歴史を代表する版画家たちによるきわめて珍しい作品の数々です。日本では初の試みとなるこの機会に、西洋の版画芸術の精華をお楽しみください。