今後の展覧会予定 小企画展
神話、寓意、祝祭——ルネサンスからバロックにおけるイタリア宮廷と版画
- 会期
- 2026年6月30日[火]-10月12日[月・祝]
- 開館時間
- 9:30~17:30(金・土曜日は~20:00)
※入館は閉館の30分前まで - 休館日
- 月曜日、7月21日[火]、9月24日[木]-9月30日[水](ただし、7月20日[月・祝]、8月10日[月]、9月21日[月・祝]、10月12日[月・祝]は開館)
- 会場
- 版画素描展示室(常設展示室 新館2階)
- 観覧料
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一般500円(400円)、大学生250円(200円)
本展は常設展または企画展「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」(2026年7月7日[火]-9月23日[水・祝])の観覧券で、観覧当日に限りご覧いただけます。
- ※( )内は20名以上の団体料金(要予約)
- ※高校生以下及び18歳未満、65歳以上、障害者手帳*をお持ちの方とその付添者1名は無料(入館の際に学生証等の年齢の確認できるもの、障害者手帳等をご提示ください)
- *対象となる手帳:身体障害者手帳・ 療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳
- ※国立美術館キャンパスメンバーズ 加盟校の学生・教職員は無料(学生証または教職員証をご提示ください)
- ※7月12日[日]、8月9日[日]、9月13日[日]、10月11日[日]は本展及び常設展は観覧無料(Kawasaki Free Sunday)
- 主催
- 国立西洋美術館
- お問合せ
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)
ルネサンス期のイタリアでは、古典古代への関心の高まりと人文主義の広がりを背景に、ギリシア・ローマ神話の神々のイメージが復活し、宮廷文化のなかで多彩に表現されるようになりました。これらの図像は人文主義的な古典解釈のもと寓意として読み替えられ、とりわけ宮廷祝祭という儀礼的空間において政治的・象徴的役割を担うようになります。本展では、ルネサンスからバロック期に制作された神話や寓意、宮廷祝祭のイメージを、当館所蔵の約50点の版画作品を通して辿ります。
15世紀後半、イタリアにおいて銅版画の制作が本格化すると、古代の神々や象徴体系に由来する図像も主題として取り入れられ、流通するようになりました。16世紀にはローマを中心に、ラファエロらの作品に基づく複製版画が盛んに制作され、マルカントニオ・ライモンディをはじめとする版画家が活躍します。これらの版画の多くは、神話や寓意の解読を前提とし、人文主義的素養を備えた鑑賞者や収集家を主な対象としていました。
同時期には、邸宅装飾の図案を示す装飾版画が広く流通し、芸術家や職人の視覚資料として用いられます。さらに、宮廷祝祭を記録する出版物においても、版画は重要な役割を果たしました。とりわけフィレンツェのメディチ宮廷では、君主像や紋章、神話や寓意が組み合わされた祝祭の情景が版画化され、華麗な宮廷文化や都市の活気を伝えるとともに、君主を称揚するメッセージを他都市の宮廷へと広く伝える役割を担いました。
本展では、初期銅版画の古代風図像や、古代彫刻に学んだマンテーニャの造形に始まり、ローマやマントヴァにおいて展開した複製版画、装飾文様や工芸品の図案、ジャック・カロら宮廷版画家による祝祭の描写まで、イタリア宮廷文化の知的・美的潮流のなかで生み出された世俗的イメージを紹介します。これらの作品群を通して、神話、寓意、祝祭が相互に結びつきながら展開する様相をご覧ください。
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《洗礼者聖ヨハネの斬首》の版画家《寓意:盾を持つ男の前で争う動物》1515–20年、エングレーヴィング、スティップル・エングレーヴィング
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マルカントニオ・ライモンディ《クォス・エゴ(波を鎮めるネプトゥヌス)》(ラファエロの原画に基づく)1515-16年頃、エングレーヴィング
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マルコ・デンテ《ばらの棘に傷つくヴィーナス》(ラファエロの原画に基づく)1516年、エングレーヴィング
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ジョルジョ・ギージ《トロイアの陥落とアイネイアスの逃亡》(ジョヴァンニ・バッティスタ・スクルトーリの原画に基づく)1545年頃、エングレーヴィング
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オラツィオ・スカラベッリ《ピッティ宮中庭における模擬海戦》(『トスカーナ大公フェルディナンド一世とクリスティーヌ・ド・ロレーヌの結婚式』より)1589年、エッチング
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ジャック・カロ《アルノ川の祝祭(扇)》1619年、エッチング、エングレーヴィング
すべて国立西洋美術館蔵