過去の展覧会
[企画展示室]
日本・スイス国交樹立150周年記念 フェルディナント・ホドラー展
[企画展示室]
日本・スイス国交樹立150周年記念 フェルディナント・ホドラー展
- 会期
- 2014年10月7日(火)〜2015年1月12日(月・祝)
- 開館時間
- 午前9時30分〜午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分〜午後8時
※入館は閉館の30分前まで
※上野公園での「創エネ・あかりパーク(R)2014」 開催にあわせ、11月1日(土)、2日(日)は午後8時まで開館します(入館は閉館の30分前まで)。 - 休館日
- 月曜日(ただし、10月13日、11月3日、11月24日、1月12日は開館、翌火曜日休館)、12月28日〜1月1日
- 主催
- 国立西洋美術館、NHK、NHKプロモーション
- 共同企画
- ベルン美術館
- 後援
- 外務省、スイス大使館
- 特別協力
- ジュネーヴ美術・歴史博物館
- 協賛
- スイス・リー・グループ、大日本印刷、中外製薬
- 助成
- スイス・プロヘルヴェティア文化財団
- 協力
- スイス政府観光局、スイス インターナショナル エアラインズ、ネスレ日本、ルフトハンザ カーゴAG、ユングフラウ鉄道グループ、西洋美術振興財団
- 観覧料金
- 当日:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
前売/団体:一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円
※前売券は2014年10月6日(月)まで販売。
ただし、国立西洋美術館では10月5日(日)まで販売。
前売券の販売場所はこちらでご確認ください。
※10月7日(火)からは当日券販売。
※団体料金は20名以上。
※中学生以下は無料。
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)。 - 巡回
-
兵庫県立美術館
2015年1月24日(土)〜4月5日(日) - 関連書籍
- フェルディナント・ホドラー展カタログ
2014年発行、274頁、高さ26.0cm - 入館者数
- 100,294人
フェルディナント・ホドラー(1853-1918)は、19世紀末から20世紀初頭のスイスを代表する画家です。パウル・クレーやアルベルト・ジャコメッティといった後続するスイス人芸術家とは異なり、ホドラーは生涯をつうじて母国にとどまりました。大規模な室内装飾を数多く手がけ、身近なアルプスの風景を描きつづけた彼は、スイスではいまなお「国民画家」と呼ばれています。最近では、フランスやアメリカでも相ついで個展が行なわれるなど、その存在にはあらためて国際的な注目が集まっています。
19世紀半ばにスイスの首都ベルンの貧しい家庭に生まれ、若くして肉親や兄弟を失ったホドラーは、やがてジュネーヴに移って本格的に画家の道を歩みはじめます。その前半期の絵画には、とくに「死」や「憂鬱」のイメージがまとわりついており、そこにこの画家の不幸な生い立ちを読みとろうとする人々も少なくありません。けれども、ちょうど新しい世紀、20世紀への転換期を境に、ホドラーは「死」よりも「生」の絵画に目醒めます。――踊る人々の姿、そこに身体化される感情、それらが連鎖することで生まれるリズム。さらに、アルプスの山々や雲のような自然界の無機物にさえ、彼は生命感や律動感を見出しました。「パラレリズム」(平行主義)という独自の美術理論を提唱したこの画家は、ただ眼に映る対象よりも、それらをつくり出す構造や原理にこだわり、ゆえに単なる再現的なイメージを超えた、世界の動的な秩序やリズムの抽出に向かったのです。
たとえばヴァシリー・カンディンスキーは、絵画史における「メロディックな構図」から「リズミックな構図」への転換の契機をもたらした画家として、ポール・セザンヌとともにホドラーの名を挙げています。本展では、ホドラーの画業を丹念に跡づけると同時に、まさに絵画の「リズム」をテーマとしながら、その芸術をあらたに読み解きます。同時代に台頭しつつあったモダン・ダンスの思想とも共鳴するホドラーの絵画を前にすれば、わたしたちはそこにある「リズム」を、じかに体感することができるはずです。
本展は、こうしたテーマのもと、ベルン美術館をはじめとするスイスの主要美術館と個人が所蔵する油彩・素描など約100点によって、ホドラー芸術の全貌に迫ります。日本ではおよそ40年ぶりとなる国内最大規模の回顧展です。この画家をすでに知るかたも、そうでないかたも、ホドラーとのあらたな出逢いを、どうかご期待ください。