過去の展覧会
[新館 版画素描展示室]
ネーデルラントの寓意版画
[新館 版画素描展示室]
ネーデルラントの寓意版画
ヘンドリク・ホルツィウスの原画に基づく
ヤン・サーンレダム
《芸術を支配するメルクリウス》
連作〈七つの惑星の神々〉より
1596年 エングレーヴィング
- 会期
- 2014年10月7日(火)〜2015年1月12日(月・祝)
- 開館時間
- 午前9時30分〜午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分〜午後8時
※入館は閉館の30分前まで
※上野公園での「創エネ・あかりパーク(R)2014」 開催にあわせ、11月1日(土)、2日(日)は午後8時まで開館します(入館は閉館の30分前まで)。 - 休館日
- 月曜日(ただし、10月13日、11月3日、11月24日、1月12日は開館、翌火曜日休館)、12月28日〜1月1日
- 会場
- 国立西洋美術館 版画素描展示室
- 主催
- 国立西洋美術館
- 観覧料金
- 当日:一般430円(220円)、大学生130円(70円)
※本展は常設展の観覧券、または「フェルディナント・ホドラー展」の観覧券でご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料
(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)
寓意とは、擬人像や象徴的意味をもつモティーフを組み合わせ、喩えによって抽象的な概念や思想などを表現する方法を意味します。今回の企画では、ヘンドリク・ホルツィウスやヤン・サーンレダムら北方マニエリストたちが16世紀末から17世紀初頭に制作した寓意版画を特集します。
16-17世紀のネーデルラントはヨーロッパにおける版画出版の一大中心地でしたが、そこで発行される大量の作例の中には寓意版画も数多く含まれていました。その中でも、地球の周囲を運行して人間の営みに影響を及ぼす(と信じられていた)七惑星、四季、火・土・空気・水の四元素、人間の五感、あるいは美徳と悪徳などの主題を扱ったものは特に好まれたようです。それらの画面からは、当時の人々の世界観や道徳観を見て取ることができるでしょう。さらに、四季や七惑星などの主題は、季節ごとの労働や惑星の影響下にある人々の営みの表現を通して、当時関心が高まりつつあった風俗描写を行う格好の口実を提供し、芸術家たちに新たな表現を試みる機会をもたらすものでもありました。こうして、制作者側、受容者側の様々な関心の中から多数の寓意版画が生み出されることとなったのです。
今回の展示では、上に挙げた定番の主題の他、「世俗財産の悪用についての寓意」など珍しい主題を取り上げた作品もご紹介します。主題を表現するために凝らされた様々な趣向を楽しみつつ、当時の人々の考え方や関心事を画面から感じ取っていただければ幸いです。
マールテン・ファン・ヘームスケルクの原画に基づく
ウィレム・ファン・スワーネンブルフ
《画架に向かう悪魔の右側に立つ髭のない若者》
連作〈世俗財産の悪用についての寓意〉より
1609年頃 エングレーヴィング