過去の展覧会
[新館 版画素描展示室]
新収蔵版画コレクション展
[新館 版画素描展示室]
新収蔵版画コレクション展
- 会期
- 2022年4月9日(土)〜5月22日(日)
- 開館時間
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9:30〜17:30
毎週金・土曜日:9:30〜20:00
※入館は閉館の30分前まで
- 休館日
- 月曜日(ただし5月2日(月)は開館)
- 会場
- 国立西洋美術館 新館2階 版画素描展示室
- 主催
- 国立西洋美術館
- 協賛
- BS11(日本BS放送株式会社)
- 協力
- 西洋美術振興財団
- 観覧料金
- 当日:一般500円(400円)、大学生250円(200円)
※本展は常設展の観覧券でご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下及び18歳未満、65歳以上は無料
(入館の際に学生証または年齢の確認できるものをご提示ください)
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)
※5月18日(水)(国際博物館の日)は本展及び常設展は観覧無料
国立西洋美術館のコレクションの母体となった松方コレクションには、膨大な数の版画が含まれていたことが知られます。しかし、1959年の美術館開館に際してフランス政府から寄贈返還された版画は、ロダンやコッテなど26点にすぎませんでした。その後もしばらく、当館の版画コレクションはフランス近代を中心とした小規模な作品群に留まりましたが、1968年の山田智三郎の館長就任は、その性質に根本的な変化をもたらす契機となりました。山田の決断により、フランス近代美術の美術館として開館した国立西洋美術館は、中世から近代にかけてヨーロッパ各国で展開した美術を幅広く紹介する美術館へと変貌を遂げ、より広範な時代と地域を網羅する作品収集が開始されたのです。さらに、デューラー研究の第一人者で版画芸術を知悉した前川誠郎が1980年に次長、1982年に館長に就任したことも追い風になり、当館版画コレクションは徐々に充実していくこととなりました。
以降、地道な購入や篤志家の皆様のご寄贈を経て、当館版画コレクションは、2022年4月現在、寄託作品を含めて約4,500点を数えるまでに成長しました。近年は、西洋版画史のメインストリームに位置する作品群の拡充をはかるとともに、その周辺領域にも収集対象を広げています。
本展は、当館における近年の版画収集の成果をご披露すべく、2015年度以降の新規収蔵品より構成しました。時代順・地域ごとを基本に作品をグルーピングし、15世紀末から20世紀初頭まで、多様な版画表現を楽しんでいただけるよう配置しています。近世以前では、デューラーやレンブラントなど、当館が長年収集の中心としてきた巨匠たちのほか、デザイン案やアナモルフォーズ(歪像)など、やや趣向の変わった作品もご紹介します。一方、近代では、近年重要作の取得が続いた、ロマン主義や、ゴヤやマネ、象徴主義、ジャポニスムの流れをくむ作品群をご覧いただきます。今回の展示に含めることができなかった作品も多数ありますが、それらについては、近い将来の企画でご紹介していく予定です。また本展出品作の中には、松方家、早川家からご寄贈いただいた作品が含まれます。ご両家の皆様はもとより、これまで当館の版画収集を支えてくださいました皆様にも、この機会に改めて御礼申し上げます。
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アルブレヒト・デューラー
『黙示録』より《書物をむさぼり喰う聖ヨハネ》
1498年頃、1511年(ラテン語版再版、印刷本としての初版は1498年)
木版、活版印刷/紙 -
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
《神殿の門の前で足の不自由な男を癒すペテロとヨハネ》
1659年 エッチング、ドライポイント、エングレーヴィング/和紙 -
エドヴァルド・ムンク
《魅惑II》1895年頃
エッチング・ドライポイント・(アクアティント)/紙 -
メアリー・カサット
《アヒルの餌やり》1895年頃
ドライポイント、ソフトグラウンド・エッチング、カラー・アクアティント/紙